2010年9月9日木曜日

業務の中で気付いたこと <CT編>

職場に慣れてしまう前に、気付いたことを記録しておこうと思う。


配属されたばかりの頃…

普通に検査が行えている現場を見て、「自分は、何をしに来たんだ…」と、かなり落ち込んでいた。

でも、実際に一緒に働いてみると…基本的な事ができていないように感じられた。

今は、CTを担当してそろそろ2週間になるが、少しずつ撮影の問題点、そして日本とブータンの考え方の違い?が見えてきた。

<CT検査側で見つけた問題点とその理由、対応策について>
※間違っていたら訂正・アドバイスをお願いします!
・問題点 △理由 ◎対応

・車椅子・ストレッチャー患者の寝台への移動が適切でない。
△患者の負担・転倒事故に繋がるため。
◎停める位置・方向、寝台の高さの指導。自分でやって見せる。

・装置側のマイクが機能していない。
△撮影中、患者が具合悪く感じても撮影者に言葉で伝えることができないため。危険!
◎エンジニアに報告。

・撮影基準線が統一されていない。
△撮影者により異なった画像になり、前回画像等との比較が困難になるため。再現性低。
◎日本の基準線も紹介しながら、どこにするか自分達で決めてもらう。

・頭部Standard撮影で、全体をスライス厚3mmで撮影されている。
△テント上は、スライス厚を薄くすると逆にノイズが強い画像になってしまうため。
◎コントラストを優先し10mm程度で撮影した方がいい。装置的に変更できるか確認中。

・側頭骨撮影で、300mAsが使用されている。
△水晶体被ばくも考えるため。
◎100mAs以下で撮影するよう提案。

・胸部Plan撮影で、腋窩が欠ける肺野FOVを選択し撮影している。
△病変の見逃しに繋がるため。
◎撮影FOVを広げ、肺野の再構成FOVのみ狭くするよう指導する。

・造影剤のルート確保の腕の第一選択が左腕になっている。
△左腕から造影剤を注入すると、上大静脈までの距離がくなってしまい、さらに大動脈弓部の全面を通り圧迫を受けてしまい造影剤の有効利用ができなくなるため。
◎artifact画像等を見せながら説明し、右腕の尺側皮静脈を第一選択にするよう提案。

・造影剤・血液が固定具・シーツに付着している、次の患者もその状態で撮影している。
△造影検査後、看護師さんが抜針を患者固定具・ガウン上に置いてる。
◎ゴミ箱の配置変更や入れ物を用意して対応。
  血液の付着したシーツ・ガウンは、他患者に使用しないよう自分から積極的に交換する姿勢を見せ、清潔に保つ意識を持ってもらう。まずは意識改革。

他にもまだまだあるが、ザッとこんなとこ。

配属先病院が『ブータン最大の総合病院』ということもあり、日本でいう”ヒヤリハット””インシデント”記録の作成等も紹介し、検査側から病院全体の質の向上にも繋げていければ…と考えているが…

その前にやらなければならないことが、まだまだありそう…。

決して無理やりでなく、一つずつゆっくりと、

現地スタッフと一緒に考えながら、この病院に合うやり方を見つけて行きたいと思っている。

2 件のコメント:

  1. の日本の病院で働く我々も
    ちょっとドキッとする項目があったりして
    勉強になります!

    皆で話し合いをして良い方向にもっていく作業は
    時間がかかるけど楽しい工程だよね
    良いと思う工夫をしたくても
    出来ない病院もありますので幸せかもよ?

    思いついた事ひとつづつ・・・なんてやっているうちに
    二年なんてあっと言う間に過ぎてしまうぜえ(笑)
    変わっていく過程を楽しんで出来ると良いね!

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  2. >X-menさん
    勉強になりますなんて…恐縮です!!
    てか、思い込みの所も多くあると思いますのでいろいろ指摘してくださいね♪
    今は、残念ながら話合いができるほどの語学力がないので、まずは一緒にいることが普通に感じてもらうことを目的に、毎日業務・行事に参加しています。
    「シンっ!」と、毎日使ってもらえていることに喜びを感じている今日この頃です。
    でも、知識が少なすぎたり…医学英語が分からな過ぎて…嫌になることも多いです↓
    また、いろいろご指導・ご協力を頂くこともあると思いますが、ブータン医療発展のためにお付き合いいただけたらと思っています!

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