2010年11月6日土曜日

Arrow Injury

久しぶりに職場の事を書きたいと思います。


各国には、様々な病気やケガがあります。

そして、ここブータンでは… 

『Arrow Injury』

と呼ばれる損傷があります。

そう、これは… 『矢による損傷』 なのです。

なぜ、この損傷が多いのか…

その理由は…
①ブータンの国技がアーチェリーだから
②その競技が、写真のようにむき出しで行われているから
左の旗が沢山あるところから、右の土が見える所までが距離。
※撮影しているのは、普通の道路から

他にも、クルーと呼ばれるダーツみたいな競技もあるしね…とても危険!


それでは、今回は頭部のArrow InjuryをCT画像で紹介していきます。
※CT検査は、レントゲンと違い、撮影部位を自由自在に画像化することができます。様々な画像が出てきますが、撮影は一度だけで、PCで後処理をして画像を作成しています。

①輪切りの写真(基本のCT画像)
これは、頭部の横断像と呼ばれる、輪切りにした画像です。
※ベットに仰向けになった患者を足方から覗いた画像です。(画面左側が患者の右側)

クリクリとした二つのものが眼球で、その横で『キラーン』としているものが矢の先端の金属部分です。

②骨条件のCT画像
 これは、骨の損傷を判断するため再構成した画像。

この写真を見た瞬間、Dr&技師は

「Oh~!! Brain ok,right?」

と、みんなで声をあげていました。

この写真で、矢の先端が脳内に到していないことが分かりました。

だいたい、上の二種類の画像で判断します。


次は、おまけです。

これは、3D処理した画像 (骨に標準を合わせたもの)
手前のオレンジ色の周辺が、矢の先端の金属部分

 これも、3D処理した画像(表皮に標準を合わせたもの)
矢が耳の手前から刺さっているのが分かりますよね?

こんな感じで患者が運ばれて来るのです…。

他にも、足や手…目にまで刺さった患者がくることがあります。

さっさとアーチェリーを安全に競技するための対策をとった方がいいのでは?

と、そんな風にいつも思っています…。

最後に、職場で活動をしている風な一枚
こんな感じで、ブータンの病院で活動させてもらっています。

症例画像は、デジカメで作成したものなので分かりにくかったとは思いますが、ここが途上国だということをご了承くださいませ。

5 件のコメント:

  1. マーシャルリエ2010年11月10日 12:15

    すごいねっ!!思わずコメントしてしまいました><
    3D、なかなかおもろい。
    途上国でもちゃんと技術は進歩してるね!

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  2. >マーシャルリエさん
    でも…この装置があるのは、ここの病院だけなのです…w
    ちょっとリアルな投稿だったよね!ごめんね~w
    俺の配属先のDrが全然途上国の先生じゃなくてね…もう少し途上国を味わいたかったかな~。
    また、コメント下さいな☆

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  3. 文章読まずに3D画像みたら、禿げたおっちゃんが、競馬新聞checkの赤ペンを耳に挟んでるのかとおもた。
    しかし内容読むとまさか矢が刺さっているとは、、、
    日本ではまず無い画像だね(*_*)

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  4. >TMDさん
    Angioの方は落ち着きましたか?
    競馬新聞…懐かしい響きですw
    このコメントを読んだ後見てみたら…赤ペンを耳に挟んでいるおじさんに見えました!!
    また、いろんな画像も載せていきますね♪

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  5. こっちは落ち着いてきた。ただ毎日検査が多くて泣ける(*_*)
    ブログUP毎回楽しみにしてるよー

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