2011年12月30日金曜日

Gelephu ワークショップ

12/20~22に『Gelephu』と呼ばれる、ブータン南部の町に『全国放射線科ミーティング』に参加してきました。(標高300m)
※みんなで参加すると、業務がストップしてしまうので、全国の半分のレントゲン・CT・MRI・超音波技師・Dr・看護師が参加(40人弱)。残りは次の週に『Phuntsholing』でのミーティングに参加。

この町は、隊員は普通行く事が許されていません。ただし、オフィシャルの場合にのみ行く事ができます。

その理由は、アッサムに近いインド国境がある為だと思います。国境沿いは、比較的事件も多く危険度は高い場所に設定されているのです。

なので、滞在は許されていません。

その為、ミーティングが終わったらすぐに2時間程離れた『Damphu』の町で宿泊する事が条件でした。

今回は、3日間開催されたミーティングの内容を少しご紹介します。

<ティンプーからの移動日>

<会議1日目>
スケジュール 9時~15時
・Pre Test (前テスト)
・Radiation hazard (Drによる)
・復習 (新しく得た知識を紹介し合う)
・ブータンの放射線業務従事者、各病院の放射線科の問題点の話合い

ゲレフ病院に会議室がないということで、会場は町のホテルでした。

ティンプー病院のDrが中心になり、活発な意見交換が行われました。

この日の会議終了後、ゲレフーの市場で仕入れた新鮮なエビをホテルに戻り、頂きました。
 お湯で茹でたあと、塩のみで頂きました。これは、最高においしかったです!

<会議2日目>
スケジュール
・昨日何を学んだか
・放射線ってなに? (ブータンの診療放射線技師による)
・質疑応答
・日本とブータンの技師の違い等 (自分)
・ゲレフ病院で実技
(一部の撮影方法(条件、整位等)、装置のチェック等)

今年の夏に、インドでの4年間の診療放射線技師コースを終了し、ブータンに帰ってきたペマによる、他のレントゲン技師達への講義が行われました。

このペマは、インドの大学でのコースを首席で卒業したということもあり、知識が十分にあり、聞いているこっちも何度もうなずいていました。

正直、今回の講義は、自分が現地技師に行わなければならなかった事だと思います。

しかし、ブータンで働いているうちに、法律もない国に、日本のやり方を押しつけていいのか?

と、諦めていました。

そんなところに、二人の若き技師がインドでの勉強・臨床実務(4年間とも病院で働かされていた)を終え、ブータンに帰って来たのです。

自分の考えている事が、ペマも感じていたようで、今回の講義に繋がりました。

やはり、英語で習ってきているのは凄いですね。ブータン技師を唖然とさせる講義。まさに圧巻でした。

その後、自分も自己紹介を兼ね『日本とブータンの技師の違い・放射線測定の重要性』を少し紹介させてもらいました。

ゲレフの町並み

この日の午後は、 これまで習った事や、みんなで話し合い統一させておいた方がいい事を、実際にボランティア患者を撮影しながら確認し合いました。

患者整位+コリメーションの重要性

膝の側面撮影時の撮影テク
※日本に6ヵ月研修に行った事もあるツェリン ドルジさん

この位の内・外顆のズレは日本でも許容範囲ですよね?

 簡単にできる、管球のズレ確認 

ミーティングの終わった後、毎夜このように賭けトランプゲーム「マリッジ」?をしていました。

<会議3日目>
スケジュール
・2日間で何を学んだか?
・CT・MRI・超音波検査の紹介
・質疑応答
・超音波検査でのFAST紹介 (Drによる)
・Post Test (後テスト)

Drが中心に、一人ひとりに二日間で何を学んだか、尋ね、それを他のスタッフと確認し合ったりしました。

またまた、ペマによる講義でCT・MRI・超音波検査の紹介

この日は、ミーティング最終日ということで早く終わったので、ゲレフの町をブラブラしました。

インドとの国境近くまで行ってみたりもしました。
※中心のゲートの向こう側がインド。そして、周りの木は全てドマの木w 

この日、自分もゲームに参加してみました。

って、隣の黒い女性(Drのお姉さん)にコントロールしてもらい体験しただけですw

これ結構、頭を使う難しいゲームです! ネットで検索してみたのですが見つけられませんでした!

ご存知の方、教えて下さい!w

<ティンプーへの出発日>
朝早くから、一人お茶を作っているテンジンさんがいました。

ブータンのお茶は、葉を茹でるところから始まり、このように作ります。 

その直後、Drの車に故障部位が見つかってしまいました。

なんと、オイル漏れ。。。

出発してからでなくて本当によかったです。

でも、その車が『トヨタのハイラックス』だったので…少し肩身が狭く感じましたw

トヨタ!頼むよ!ブータンは、みんなヒュンダイのっているんだよ?少ない需要を大切に!

一台分の人達をおいて、他の車で帰ってきました。

途中の、『Tsirang』で、有名なみかんを購入しました!これが甘い。

この、ミーティングでブータンの技師のやる気が感じられました。
・ペマから新しい事を学ぼうとする
・シニアのやり方に耳を傾ける
・知識・技術を共有しようとする
・他の県の問題点について一緒に考える

放射線に対する法律もない途上国で、少ない技師が一年に一度このようにして集まり、ミーティングを行う。正直、レベル高いと思いました。

「単に習っていないだけなんだな」という事を肌で感じる事の出来たミーティングでした。

2 件のコメント:

  1. エクスメソ2012年1月8日 3:02

    全国ミーティングなのに凄いアットホームな写真だね(笑)
    問題点を皆で一緒に考えて次の仕事にその修正を活かす工程って、とても気持ちが良い(?)事よね
    レベルアップを肌で直接感じられるというか・・
    仕事を楽しく過ごせるというか・・・
    国レベルでその作業に参加できるって凄いことだなぁ

    その膝は自分なら「よし、ズレてない」と言ってしまいそうな・・・

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  2. >エクスメソさん
    まぁ、ブータンには全国に技師が70人ほどしかいませんからねw
    そういう人数の少ない国だからこそ、こういう全国レベルで共通の問題点を話し合う機会がもてるんでしょうね。
    でも参加していて、単純に「これって、凄いな!」って思いました。

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