2010年11月28日日曜日

タンゴ僧院

今日は、自宅から車で40分+徒歩40分程で行ける、タンゴ僧院という場所に行ってきた。

※タンゴ僧院
ここは、ブータンの王室と関係の深い寺院で、1987年に皇太子がブータンに訪れた際にも訪れている。先週ピクニックで出かけたデチェンチョリンからさらに北へ約20分行くとその登山口に到着する。

駐車場から、僧院までは徒歩で行くしかない。

30分程歩いた途中のチョルテン付近に、ゾンカ語で自分たちの名前を書いたケマーを掛けてきた。

そこから、歩くこと10分。タンゴ僧院が見えてくる。

僧院の中は、撮影は自粛しないといけないため写真はない。

創建されたのは12世紀ということもあり(建物は18~19世紀に再建されたもの)、僧院の雰囲気も独特であった。

現在、日本から二人の僧侶も修行に来られているようだ。だが、現在は、チェリに瞑想(三年三ヵ月三週間)に入ってるようで会えなかった。

ここは、ブータンでも数か所しかない、シェダ(高等仏教学校)として使われおり約200人の僧侶がいるようだ。

そして、無事中で参拝を済ませたので下山しようとした。

が…たまたまリンポチェの一人である『テンジン・ラプゲ』がいるという話を聞き、急遽予定変更。

Bless(恩恵を受ける)をしてもらいに尋ねた。 (10分程上がった場所)

※リンポチェ
パドマサンババ(グル・リンポチェ)の生まれ変わりである転生仏。生き仏のこと。

※パドマサンババ
インドで誕生した仏教をチベットやヒマラヤ地域に伝えたとされる高僧。チベット仏教の開祖にあたる。

自分もこういう経験は初めてだったが、アメリカ出身の人もいて、みんなで会う前にリハーサル。
テンジン・ラプゲが住まれている家は、4代がお金を出し作られたようだ。

ここで、高僧の方にBlessをしてもらう時の手順を紹介

・カダルという白いシルクの布を左手から右に流しそれを差出す
・カダルを受け取ってもらう
・息が吹きかからないように左手で口元を隠す
・カダルを首に掛けてもらい、ありがたい棒で頭を『ドン』としてもらう
・お賽銭を渡し、スンキを頂き、後退する

 と、こんな感じ。時間は、約1分程で終了する。

テンジン・ラプゲは、15歳くらいの少年なのだが、中身はグルリンポチェなのだ…。

とても不思議な感じがした。
首に巻いてあるのが、リンポチェに掛けてもらったもの。

Blessをしてもらうなら…民族衣装のゴを着ていけばよかったと少し後悔した。

下山し、14時過ぎにLunchを食べ、帰路についた。

ティンプー・タンゴ間の途中には、ブータンでも珍しい磨崖仏がある。

ブータンに来て、日本では決してできないような経験を毎日している。

それは、決して良いことばかりでないけれど…

僧侶に日本語を教えたり…リンポチェにお会いしたり…

とても充実していると実感している。

2010年11月21日日曜日

picnic in dechodin

今日は、職場の放射線科Picnicに参加してきました。

参加者は、学生・レントゲン・US・CT・MRI技師と一部のDr・看護師・掃除のおばちゃん。

総勢40人以上。 

場所は、職場からバスで約30分・7km離れたデチョリン。

ここは、前にも行ったことがあった場所で、とても和やかな場所で落ち着く。

その隣には、ゴルフ場もあります。 (ブータン人はあまりやりません)

また、ブータン国の軍隊の射撃練習場所でもあるようでした。

まず、到着してすぐに先発隊が用意していたBreakfastを頂きました。

朝食が終わると、すぐに昼食の用意を始めていました。(主に女性陣)
普通日本なら、BBQぐらいなとこですが…本格的にブータンの家庭料理を作っていました。

手前の男性は、ゴム手袋をしてエマを切っています。(エキスが手に染みつくため)

よく、エマを切った手で目を掻いてしまい、激痛を経験しています。

こちらは、調理係。ちょとしたキャンプのときの食事みたいでした。

他の男性陣はというと…

クルーでお金を賭けて遊んだり…

 カードゲームやよくわからないゲームでお金を賭けて遊んだり…

それ以外の人は、バレーボールで遊んだり、撮影会でお互いの写真を撮り合ったりしてました。

もちろん、ビールを飲みながら…

そして、13時にLunch。

メニューはこちら
・赤米
・ダル(スープ)
・エマダツィ(唐辛子チーズ)
・ケワダツィ(ジャガイモチーズ)
・ゴンドフライ(茹で卵揚げ)
・パクシャパ(豚肉と野菜炒め)
・ジャシャハ(鶏肉炒め)
・ニャッカム(魚揚げ)
・サラダ
・スナック菓子みたいなの

いつもは、second share(お代り)をするのですが、今日はメニューが多すぎて、一杯目でお腹いっぱいになってしまいました。ビールも飲みすぎたかもw

食事が終わった後も、午前中の続きや、音楽に合わせてダンスをしたりして、楽しい時間を過ごしました。
普段は、ふれ合う機会の少ない他の部署の技師と、Pincnicを通じて一日を一緒に過ごせたのが嬉しかった。

2010年11月11日木曜日

MTBとBBS Tower

10月下旬から、mountain bike(マウンテン バイク)をJICA事務所から借りている。

使用目的は、自宅から職場までが遠い(徒歩で30分以上)ため通勤に使用している。

日本で使っていたMTBは、Iron horseでTrekを使うのは初めて。
TREK 4300
 ブレーキは、Vブレーキで急な坂道が多いブータンでは少し不自由だが、ここブータンでもMTBに乗れることがとても嬉しい。
しかし、途上国の交通マナーは最悪で、この国のマナーもいいものとは言えない。

そのため、使用する際には十分注意して事故に合わないように気をつけたい。


今日は、四代国王の誕生日で休日。

そのため、自宅から徒歩で1時間程(自転車なら30分?)のBBS Towerに行ってきた。
※BBS(Bhutan Broadcasting Service)とは、ブータンのラジオ放送局のこと。

ここは、ブータンに来たばかりの頃にRIM研修の一貫で来たことがあった場所だ。

Towerを目指して進んでいくと、このような景色が目に入る。
お墓がない人が多いようで、このように白い像の様なものがいたるところに置かれている。

壁にも、真言の『オンマニペメフン』が書かれていたり、『オン』の文字が書かれている。

そして更に進んでいくと、BBS Towerに到着。

ここからは、ティンプーを一望することができる。

今日も、たくさんのダルシンとケマーが風に揺られていた。

自宅から比較的近い場所なので、いい散歩コースになりそうだ。

2010年11月7日日曜日

ナデシコ Bhutan

今日は、チャンリミタン グランド(日本でいう国立競技場)で、ブータン女子サッカーチームと練習試合をしてきました。

場所は、職場から徒歩5分くらいの場所。ティンプーの町の中心にあるんです。

ここは、日韓W杯の時に、最下位決定戦が行われたスタジアムなのです。
まさか、あの時TVで何気なく見ていた場所で、サッカーをすることになるとは…世の中、何がどうなるか分からないものですね。

実は、現在ブータンのNational teamの監督に、日本サッカー協会からスタッフが送られているため、JICA teamが練習相手としてU-17とよく試合をさせてもらっているのです。


今回は、National teamでも、なんとナデシコ!しかも、15歳とかのまだまだ高校生くらいの子達。

今日は、JICA Teamも人数が結構いて、相手がナデシコということもあり、交代要員になりました。

いつもは試合に出されてしまうので毎回写真が撮れなんです。

こんな時しか、写真を撮れないと相手Teamのベンチを撮影してみたりしました。
相手のナデシコは、まだ結成されたばかりのTeamだったようで、試合をするのはまだまだ早いって感じでした。

結果は、6-0くらいかな?

てか、国立グラウンドにも関わらず…芝がボコボコって…ひどいですね。

今回、僕らと試合をしたことで「試合ってこんな感じなんだ!」と、少しでも試合の感覚をつかんでもらえたなら、すごくうれしいです。

なんとこのTeam、この冬に行われるアジアの大会に出場するそうです。

頑張れ!ナデシコ ブータン!!

2010年11月6日土曜日

Arrow Injury

久しぶりに職場の事を書きたいと思います。


各国には、様々な病気やケガがあります。

そして、ここブータンでは… 

『Arrow Injury』

と呼ばれる損傷があります。

そう、これは… 『矢による損傷』 なのです。

なぜ、この損傷が多いのか…

その理由は…
①ブータンの国技がアーチェリーだから
②その競技が、写真のようにむき出しで行われているから
左の旗が沢山あるところから、右の土が見える所までが距離。
※撮影しているのは、普通の道路から

他にも、クルーと呼ばれるダーツみたいな競技もあるしね…とても危険!


それでは、今回は頭部のArrow InjuryをCT画像で紹介していきます。
※CT検査は、レントゲンと違い、撮影部位を自由自在に画像化することができます。様々な画像が出てきますが、撮影は一度だけで、PCで後処理をして画像を作成しています。

①輪切りの写真(基本のCT画像)
これは、頭部の横断像と呼ばれる、輪切りにした画像です。
※ベットに仰向けになった患者を足方から覗いた画像です。(画面左側が患者の右側)

クリクリとした二つのものが眼球で、その横で『キラーン』としているものが矢の先端の金属部分です。

②骨条件のCT画像
 これは、骨の損傷を判断するため再構成した画像。

この写真を見た瞬間、Dr&技師は

「Oh~!! Brain ok,right?」

と、みんなで声をあげていました。

この写真で、矢の先端が脳内に到していないことが分かりました。

だいたい、上の二種類の画像で判断します。


次は、おまけです。

これは、3D処理した画像 (骨に標準を合わせたもの)
手前のオレンジ色の周辺が、矢の先端の金属部分

 これも、3D処理した画像(表皮に標準を合わせたもの)
矢が耳の手前から刺さっているのが分かりますよね?

こんな感じで患者が運ばれて来るのです…。

他にも、足や手…目にまで刺さった患者がくることがあります。

さっさとアーチェリーを安全に競技するための対策をとった方がいいのでは?

と、そんな風にいつも思っています…。

最後に、職場で活動をしている風な一枚
こんな感じで、ブータンの病院で活動させてもらっています。

症例画像は、デジカメで作成したものなので分かりにくかったとは思いますが、ここが途上国だということをご了承くださいませ。

2010年11月2日火曜日

パジョディン トレッキング

今回、他の隊員2名と、2泊3日でパジョディン+その近くの湖へトレッキングに行ってきた。
※標高2500~4200mを移動するもの。事務所には、事前に申請済。

パジョディンは、車だけでは行くことができない場所で、自宅から車で15分と徒歩2時間程で行くことができる。

湖は、更にそこから3~4時間程歩いた場所にある。

それでは、写真をメインに今回のトレッキングを紹介していこうと思う。


<1日目 10/30>
 自宅出発:14:30

タクシーを使い、パジョディンまでの車道が無くなるところまで移動。

一人当たり、15~20kgの荷物を持ち、いざトレッキング開始。

移動し始めの景色は、地元長野とそう変わらないものだった。(標高約2700m)
しかし、道が整備されているわけではないので、日本でいえば登山である。

初めは「話をしながら行こう」言っていたが、みんなすぐに無言になり、各々が自分と戦いながら…そして「なんでこんな辛い思いしているんだ?」と自問自答しながら登っていたに違いない。

この日は、天気も良く、見上げるといつもこのような綺麗な空があった。

景色が、歩き始めの場所とは随分変わってきた。(標高約3000m)
途中にいくつか天然水の給水ポイントもあり、自然に助けられていると感じた。

 パジョディン 到着:17時過ぎ

パジョディンから、長野でいうアルプスの様な山を運よく見る事ができた。

寝床の場所を決め、テントを組立てた。

そして、薪を集め火を熾し、ティンプーの町を眺めながら、インスタント味噌汁と持参した手作りおにぎり食べた。

ここパジョディンには、ゲロン(僧侶)の学校のよう僧院があり、夜にはブータン式の風呂に僧侶達が交代で入っていた。
この写真のあと、実際に入り体験させてもらった。(自分だけ)

この、ブータン式のお風呂は水の中に焼き石をドンドン入れて熱くしていくというものであった。

寒空の下でも、十分温まることができるくらい熱かった。

そして何より、風呂に入りながら天の川?と思うくらいの大量の星を眺めることができたのが、とても印象的だった。流れ星もいくつも見つける事ができた。

その後、三人で寝袋に入りながらテントから顔だけ出して星を眺めた。

「次の流れ星を見つけたら寝よう」と男三人でロマンチックな事もしてみた。

 就寝:22時過ぎ


<2日目 10/31>
 起床:8時過ぎ

みんなで、朝食にパンをかぶりつきながら周辺を散歩した。
ここでは、ヤクが放牧されていた。始めてみるヤクに圧倒された。
(写真左の黄テントが自分達のもの)

ゲロンの子供たちがサッカーをしており、その姿が映画のワンシーンのように見えた。
 
 出発:9時過ぎ

テントを片づけ荷物をまとめ、近くの湖に向けて再出発。

このように、小さなチョルテンがあるチェックポイントで、3人で記念写真を撮りながら歩いた。

歩くこと2時間、昨日とはまた違った景色に出会う。

ここの標高が4000m近いということは、周辺植物の変化で感じる事ができた。

「我々人間は、なんて小さい生き物なのだろうか…自然に生かさせているな」

と…なぜだか、そんなことを肌で感じていた。

移動中は、定期的にSpO2・心拍数を測定し、みんなで氷砂糖を食べ体力維持を意識した。

この日の昼食は、コカと呼ばれるインスタントラーメンをそのままかぶりついて食べた。

すれ違う外人や、ブータン人に湖の情報を教えてもらいながら、まだ見ぬ湖を想像しながら移動した。

更に先へと進んでいくと、周りに高い山が無くなって行き…ついには見下ろすことが多くなってきた。

そして、標高が高いためか辺りは曇りの様な天気が続いており、未だかつて感じたことのないような不思議な感覚のまま移動していた。

そして、出発してから4時間程歩いたところで、自分達が行こうとしたであろう湖を見つける事ができた。(標高約4200m)

現在時間と、明日帰る事も考えながら、手前の小さな湖まで戻りテントを張ることにした。

 一つ目の湖 到着:15時

到着してから少し散歩しながら周辺を把握した。

この日もまた三人で協力してテント組立て、薪を集めた。

前日の慣れもあったのか作業はスムーズに進んでいった。
※すぐ近くには、他のトレッキンググループ(ガイド付)も滞在していた。

この日の夕飯は、持参したインスタントラーメンとご飯、味噌汁を食べた。

更に、荷物を減らすために余っていたお菓子もかなり減らした。

夜は、星は見えなかった。それどころか雨がパラつきだした。

「雨か…」と思っていたら、それはいつの間にか雪へと変わっていた。

20時になる前には風も強くなり始めたため、テント位置を移動し温かい格好で就寝することにした。

 就寝:20時過ぎ

夜は、雪がテントを叩きつける音がうるさく何度も起こされた。


<3日目 11/1>
 起床:6時

目を覚まし、テントの外に出てみると…

辺り一面、白銀の世界に変わっていた…。

三人とも唖然。自然の怖さを感じた。

帰る前に、温かい味噌汁を食べたいと、三人で交代しながら約1時間かけて火をおこした。

そして、朝食に味噌汁とインスタントラーメンを食べた。

朝食中に、時々青空・太陽が顔を出し、焚火以上に僕らを温めてくれた。

 一つ目の湖 出発:10時

出発前に何組かトレッキンググループが来ており、既に道もできていた。

更に僕らを安心させたのは、出発してすぐに出会った2匹のヤクであった。

彼らは、まるで僕らを待っているかのようだった。

その後の休憩時も一緒に休憩をしたり、後ろをチラチラ気にしてくれたりしたからだ。

トレッキングの前日にメモリアルチョルテンへ参拝に行っていたため、「ブッダが2匹のヤクを使いにくれたのではないか」とさえ思えた。

そして、パジョディンの僧院に瞑想(三年三カ月三週間)に入る僧侶に歯痛の痛み止めの薬を持ってきてくれと頼まれていたので、それを渡し、その後下山し今回のトレッキングは無事終了した。

 ゴール地点 到着:14時半


今回の壮絶なトレッキングを共にしたダナーライトの靴。
この二年間、いろんな経験を共にし一緒に年を重ねて行きたい、そんな靴。

ゴール場所から家までは、偶然いた労働者の送迎車に便乗させてもらうことができた。

今回のトレッキングで、一緒にいる仲間・動物・自然に何度も助けられた。

今、なぜブータンにいるのかについても考えさせられた。


ブータンでの活動…

決して一人でできるものではないと思った。

『周りにいる同僚と協力し合う大切さ』 を改めて感じることができた…

そんな、トレッキングだった気がする。

良い時期に、良い仲間とトレッキングに行くことができて本当によかった。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。